社会保険労務士法人トライスタア

栃木県宇都宮市中央2-7-8 SSビル3F
宇都宮市役所から徒歩1分

文書作成日:2023/12/12

退職後に引き続き傷病手当金を受給する際のポイント

健康保険の傷病手当金を受給している従業員が、職場復帰の目途が立たないことから退職するケースがありますが、一定の要件を満たすことで、退職後も引き続き傷病手当金を受給することが可能です。以下では、退職後に引き続き傷病手当金を受給する際のポイントを解説します。

[1]傷病手当金を受給するための要件
 傷病手当金は、被保険者である従業員が病気やけがによる療養のために会社を休み、給与を受けられないときに、その所得の補てんとして受けることできるものです。この給付を受けるためには以下の4つの要件をすべてを満たす必要があります。

  1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間(待期期間)を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

[2]継続給付の要件
 [1]の受給要件を満たした上で、退職後も引き続き傷病手当金を受給するためには、更に以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 健康保険の資格喪失日の前日(退職日等)までに被保険者期間が継続して1年以上あること
  2. 健康保険の資格喪失日の前日(退職日等)に傷病手当金の支給を受けているか、または、受けられる状態にあること

 上記の2.について、退職日に引継ぎ等で出勤した場合は、医師が労務不能と証明していたとしても、仕事ができる状態になったと判断され、退職後に傷病手当金を受給できなくなります。

[3]傷病手当金を受給しないまま退職した場合の取扱い
 傷病手当金を受給しないまま、年次有給休暇を取得し、退職となるようなケースがありますが、傷病手当金の受給は[1]でとり上げたとおり、連続する3日間の待期期間と4日目以降に傷病手当金を受給できる状態であれば、傷病手当金を受給していなかったとしても退職後に受給することが可能です。年次有給休暇を取得して退職したときは、給与が支払われていることになるため[1]の4.の要件について該当せず、受給できる状態であるものの、不支給という判断が行われます。そして、給与が支払われなくなった退職後から支給が開始されます。

[4]傷病手当金の受給期間
 2021年1月より、傷病手当金の受給期間は、同一傷病について受給を開始した日から、支給期間を通算して1年6ヶ月とされています。そのため、退職後は、残りの期間について傷病手当金を受給することができます。

 私傷病により退職する場合には、この継続給付は貴重な収入となります。対象となる従業員には、要件を確認の上、通常の退職手続きに加えて説明をすることが求められます。

■参考リンク
協会けんぽ「傷病手当金について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

戻る

お問い合わせ


お役立ち情報

word書式
今月のお仕事カレンダー
知っておきたい人事労務管理用語集
会話形式で
リーフレット
旬の特集


対応エリア

栃木県

宇都宮市・栃木市
小山市・下野市
佐野市・足利市
壬生町など

群馬県

館林市・太田市
伊勢崎市・桐生市
前橋市・高崎市
沼田市・富岡市など

茨城県

古河市・筑西市
結城市など

東京都全域

埼玉県

さいたま市・上尾市
行田市・羽生市
加須市・春日部市
幸手市・久喜市など


  • Skype及びZoomに対応しております。遠方の方もお気軽にご連絡下さい。
  • ご訪問に要する移動距離が片道50km以上の場合、別途、往復交通費実費を申し受けます。
ページのトップへ戻る