社会保険労務士法人トライスタア

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文書作成日:2025/07/29

1,000件超となった精神障害の労災支給決定件数

 従業員がメンタルヘルス疾患を発症し、欠勤や休職をするケースが増加しています。その中には、仕事による強いストレスがその原因となっている事例もあるようです。2025年6月に公表された厚生労働省の資料によると、精神障害を理由とした労災の請求件数、そして支給決定件数が大幅に増加しています。そこで以下では、公表された資料の内容を確認した上で、企業に求められる対策について見ていきます。

[1]精神障害の労災補償状況
 精神障害の労災補償状況は下図のとおりとなっています。2024年度の請求件数は3,780件で、前年度の3,575件から205件の増加となり、過去最多となりました。また、支給決定件数については1,055件となり、前年の883件から172件の大幅増加となりました。こちらも過去最多となり、今回1,000件を初めて超えました。
 支給決定件数の中で多い業種(中分類)の上位4つをみてみると、社会保険・社会福祉・介護事業152件、医療業118件、道路貨物運送業69件、総合工事業46件となっており、医療・福祉の業種で多いことが分かります。認定率(決定件数における支給決定件数の割合)については30.2%で、10件の申請があればそのうち3件が労災として認定されているという状況です。
※図はクリックで拡大されます。

[2]具体的な出来事
 支給決定は、その傷病に繋がる具体的な出来事があったかを確認して判断されますが、支給決定の内容を具体的な出来事別に分類すると、その上位は以下の通りとなっています。

  1. 上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた(224件)
  2. 仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった(119件)
  3. 顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた(108件)
  4. セクシュアルハラスメントを受けた(105件)
  5. 業務に関連し、悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(87件)

 支給決定件数(1,055件)のうち、上司等からのパワーハラスメントがトップで、4件に1件が上司等からのパワーハラスメントとなっています。また、3位については、今後、企業への対策が義務化されるカスタマーハラスメントに関係する項目となります。ハラスメントは従業員のメンタルヘルス不調にも繋がるリスクのある重大な問題であり、継続的な防止対策が求められます。

■参考リンク
厚生労働省「令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表します


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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