社会保険労務士法人トライスタア

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文書作成日:2022/09/22

 2022年10月に改正育児・介護休業法が施行され、育児休業制度が改正されることにあわせて、育児休業期間中の社会保険料免除の仕組みも変更になります。仕組みが複雑化することから、この内容を確認しておきましょう。

 2022年9月30日までの育児休業期間中の社会保険料は、月末が育児休業期間中である場合、その月にかかる社会保険料と、その月に支給される賞与の社会保険料が免除となります。
 2022年10月1日以降、月にかかる社会保険料は、月末が育児休業期間中である月に加え、育児休業の開始日と終了予定日の翌日が同じ月にあり、その月中に14日以上の育児休業を取得した月も免除されることになります(図1参照)。

 ここでのポイントは、14日以上の育児休業を取得した場合の社会保険料免除の要件は、育児休業の開始日と終了予定日の翌日が同じ月であることです。例えば、10月25日から11月15日まで育児休業を取得した場合、11月に14日以上の育児休業を取得していますが、育児休業の開始日(10月25日)と終了予定日の翌日(11月16日)が同じ月ではないため、11月分の社会保険料は免除されません。なお、このケースでは10月分については10月の末日に育児休業を取得しているため免除されます。
 また、この14日以上の育児休業は連続して取得していなかったとしても合算して14日以上であれば免除の対象となります。例えば10月5日から10月11日と、10月20日から10月26日の2回に分けて育児休業を取得した場合、育児休業の日数を合算すると14日以上となるため、10月分の社会保険料は免除の対象となります。

 2022年10月からの改正育児・介護休業法の施行により産後パパ育休が創設され、労使協定を締結している場合に限り産後パパ育休中に就業することができますが、この就業した日数は、[1]の14日のカウントから除くことになります。なお、育児休業期間中に一時的・臨時的に就労した日については、限定的な状況であることから、育児休業の日数から除く必要はないとされています。
 また、この産後パパ育休中の就業は時間単位で就業することが可能ですが、14日のカウントにおいては、時間単位で就業した時間数を1日の所定労働時間で除した数(1未満の数は切り捨て)を就業日数として控除します。例えば、1日の所定労働時間が8時間の場合で、産後パパ育休を11月1日から11月28日まで(28日)申請し、40時間の就業を行った場合、就業日数は5日(40時間÷8時間)となります。そして、育児休業の日数は23日(28日−5日)となり、14日以上あることから11月分の社会保険料は免除となります。

 9月30日まで賞与の社会保険料の免除は[1]のとおり、賞与が支給される月の月末が育児休業期間中であるか否かによって判断されましたが、10月1日以降は1ヶ月超の育児休業を取得した場合についてのみ、免除となります(図2参照)。また、免除の対象となる賞与は、月末が含まれる月に支給された賞与の社会保険料です。

 ここでの注意点は、連続して1ヶ月超の育児休業を取得していることが必要であり、この1ヶ月は暦によって計算します。例えば、2022年12月16日から2023年1月15日まで育児休業を取得した場合、これはちょうど1ヶ月であるため、賞与の社会保険料は免除されないことになります。一方、2022年12月16日から2023年1月16日まで育児休業を取得した場合であれば、1ヶ月と1日となり1ヶ月を超える育児休業となるため、12月に支給される賞与の社会保険料が免除となります。
 また、この1ヶ月超のカウントについては、産後パパ育休の休業中に就業する仕組みで就業した日数、一時的・臨時的に就労した日も含めることができます。月にかかる社会保険料の免除とはカウントの考え方が異なる点に注意が必要です。


 社会保険料の負担は、育児休業を取得する従業員にとって、かなり大きなものとなります。育児休業・産後パパ育休期間中の負担すべき社会保険料の取扱いも個別周知事項になっていますので、正確に説明できるようにしましょう。

■参考リンク
日本年金機構「令和4年10月から短時間労働者の適用拡大・育休免除の見直し等が行われます」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0729.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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